akam 甘美な恋人1 2026.4.6
自分の二次創作中の赤安について学習させたAIに、プロットに対して執筆作業において下地のみを任せ、私が更に加筆修正等の細かな編集を行っています。無断転載等はおやめください。
夜は更けていた。
浴室に残っていた湯気はすでに薄れ、わずかに湿り気を帯びた空気だけが部屋へと流れ込んでいる。シャワーを終えた肌にはまだ熱が残っていて、外気との温度差がゆるやかにそれを奪っていく。
洗面台の前で、ドライヤーの低い音がしばらく続いた。
赤井が、降谷の髪に温風を当てる。指先が髪を掬い上げるたび、水気を含んだ金の束がほどけていく。その手つきはどこか慎重で、しかし慣れているとも言えた。
「……もういいよ」
降谷が短く言い、ドライヤーを受け取る。今度は赤井の髪に風を当てる番だった。黒い髪が揺れ、額にかかる前髪が軽く持ち上がる。互いに言葉は少ないが、その沈黙は不自然ではなかった。
やがて音が止み、部屋は再び静けさに包まれる。
赤井は先にベッドへと身を横たえた。シーツの冷たさが肌に触れて身じろぐ。
視線は自然と室内を動き回る降谷の背へと向いていた。何も纏わないまま、部屋の中を行き来している。タオルを畳み、適当に放り、クローゼットを開け、何かを取り出そうとしてやめる。無駄のない動きのはずなのに、どこか落ち着きがない。
その背中に、赤井は目を留めていた。
筋肉のつき方は無駄がなく、過剰でもない。職務に適した、しかしそれだけでは説明のつかない均整がある。肩から腰へ落ちる線、動けば浮かび上がる筋の流れ。呼吸に合わせて背が上下するたび、光が滑る。
見慣れているはずだった。それでも、ふとした瞬間に、初めて見るような感覚になる。
視線を外さずにいると、やがて降谷が振り返った。
「……何?」
わずかに眉を寄せ、訝しげに問う。
赤井は目を細め、それから軽く微笑んだ。
「いや」
短く息を落とすように言う。
「綺麗だと思ってな」
降谷の動きが止まり、理解が追いつかないように目を瞬かせた。
「はい?」
声は素っ気ない。だが、その奥に小さな揺れがあった。
赤井は視線を逸らさず、淡々と繰り返す。
「姿形が、綺麗だと思ったんだよ」
言葉に余計な装飾はない。ただ事実を述べているだけだった。
降谷は小さく息を吐き、肩をすくめる。
「まあ、鍛えてますし」
それだけ言って視線を外す。明らかな照れ隠しだ。
しばらくして、ベッドの脇に置かれていたボクサーパンツを手に取り、さっと身につける。その動作もまた無駄がない。
赤井はその一連を見届けたあと、続けた。
「抱かれている君も美しいが、抱かれていない君も美しい」
降谷の眉がぴくりと上がる。
「……なんでおまえに抱かれてるかいないかの二択なんだ」
口を尖らせて言い返す。
そのままベッドに近づき、腰掛けた。マットレスが沈み、赤井の身体がわずかに揺れる。
距離が近くなる。自然と視線が合った。
降谷がじっと赤井を見つめる。赤井もまた、動かずにその視線を受け止めていた。
「あなただって」
降谷がぽつりと言う。
「憎らしい顔をしている」
赤井はわずかに眉を上げた。
降谷は手を伸ばし、赤井の前髪を指の間に挟む。少し濡れ気の残った髪が指先に絡む。
「抱いてる時も、抱いてない時も、整いすぎてるから」
指先が軽く揺れ、前髪が揺れる。
赤井はふっと笑った。
「君の前で余裕なんかないさ」
囁くように言う。
「そう見えるなら、取り繕っているだけだ」
降谷は目を細める。
「そう見えることがすごいんですよ」
そのまま顔を近づける。
距離が詰まる。呼吸が触れ合うほどに。
赤井の手が動いた。大きな手が、降谷の首の後ろにそっと触れる。撫でるでもなく、支えるでもなく、ただそこにあるという触れ方。
その温度に、降谷の動きが一瞬止まる。
目の前にあるのは、赤井の瞳だった。
緑の。
電光を受けてわずかに揺れるその色は、何度見ても変わらないはずなのに、そのたびに不思議と違って見える。
(……きれい)
何度目か分からない感覚が、胸に広がる。
言葉にすることはない。
ただ、その距離のまま、ふたつの視線だけが重なっていた。
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