akam DESIRE 2026.4.28

自分の二次創作中の赤安について学習させたAIに、プロットに対して執筆作業において下地のみを任せ、私が更に加筆修正等の細かな編集を行っています。無断転載等はおやめください。





※掲載時点でpixivに掲載している連載「熾火」(連載は終了しています)の内容を一部含みます




庁舎裏手のコンビニは、夜になるとやけに白く浮かび上がる。明るさは均一で感情の入り込む余地がなく、ガラス扉が開くたびに鳴る電子音も規則正しく冷たい。
赤井は店内に足を踏み入れ、棚を流し見るふりをしながら、奥の冷蔵ケースの前に立つ背中に気づいた。見慣れたスーツの線、整えられた姿勢。風見だった。
風見もまた視線に気づいたらしく、振り向いた。

「……赤井さん」

声色は平坦だが、目が警戒を宿す。

「こんなところに、珍しいですね」
「零くんを拾おうと思ってな」

赤井は陳列棚から缶コーヒーを手に取り、軽く掲げた。

「そろそろ上がる頃かと」

風見はかごを持つ手を密かに引き締めた。

「今日は降谷さんは戻りません。急遽、潜入の必要が出ましたので」

赤井の動きが止まる。

「そうか」

驚きも焦りも表に出ない。だが風見は、その声が少し残念そうなことに気づく。

「ご存じなかったんですか」
「ああ。今聞いた」

それ以上は言わない。問いも重ねない。風見は会計を済ませながら、その沈黙の重さを測る。
降谷が潜入に入るとき、誰にどこまで伝えるかは彼の裁量だ。目の前の男には知らせていなかった。いまだに、降谷と赤井の距離感がよくわからないと思う。
風見が職場で食べるための夕食を買い、二人で店外に出ると、夜風が肌を刺した。庁舎の明かりが遠くに滲み、アスファルトは冷えている。
コンビニの明かりを背にし、数歩の距離を保ったまま二人は立つ。

「心配ですか」

風見は何気ない口調で言う。赤井は無表情で風見を見た。

「する必要があるか?」
「あの方は無茶をしますので」
「君が止めるだろう」
「止めきれないこともありますし」

風見は視線を逸らさない。
事故の夜、血の匂い、病室の白い光、孤独の中で空虚になっていく上司。
降谷のことを突き放しておきながら気に掛ける赤井に対し、電話越しに告げた。『責任を取ってください』と。常に淡々とした男の態度が許せなかった。あのときの感情は簡単に薄れない。
赤井はおもむろに缶を開ける。

「それは俺も同じだ」

沈黙が落ちる。車が一台通り過ぎ、ヘッドライトの光が二人の足元を横切った。

「ひとつ、伺ってもよろしいですか」
「何だ」
「なぜあなたは、降谷さんを好きになったのですか」

直球だった。遠回しに確認する気はなかった。
赤井は視線を空へ向ける。夜は澄んでいる。しばらく答えない。風見は急かさない。

「気づいたら隣にいた」

聞こえたのは、あまりに簡潔な答えだった。

「それは理由になってません」

風見の声は淡々としていた。だが、どこか不満が混じっている。
赤井は小さなため息をつく。

「そうだな。強いからだ。俺と同じ景色を見ている」

それでも足りない、と風見は思う。強さを語るなら他にもいるだろう。景色を共有する者もいる。なぜ、降谷なのか。
赤井は缶を持つ手を下ろした。

「彼の弱いところを知っている」

風見の眉がぴくりと動く。

「強く見えるが、無茶をする。責任を抱え込みすぎる。ああいう男は、自分で限界を決めない」

その声音には飾りがない。
風見は沈黙し、そのうち口を開いた。

「放っておけない?」
「そういう言い方は好きじゃない」

すかさず言い、赤井は苦笑した。

「面白い男だからだ」

風見は目を細める。面白い――軽い言葉だ。だが、そこに嘘はないらしいと直感する自分がいることが、少し癪だ。

「あなたは、あの方が壊れかけたとき、そばにいませんでした」

批判ではない。ただ事実なだけ。
赤井は視線を逸らさない。

「そうだな」

否定もしない。言い訳もしない。その態度が、風見の中の警戒を完全には溶かさない。

「私は、あの方が壊れる姿を二度と見たくない」
「知っている」

赤井は薄く笑んだまま言った。

「君がいると、零くんは地に足がつく。俺は揺らす側だ」

自覚しているのか、と風見は思う。自覚していて、なお隣にいるのはなぜなのか。降谷が求める以上、受け入れはするが、納得はしない。

「私はあなたを全面的に応援することはできません」

風見は正直に言う。

「ですが、否定もしません。あなたに覚悟があるかどうかを確認したかっただけです」

赤井は頷いた。

「あるさ」

その短さに、妙な確信があった。
風見は眼鏡を指で上げ、袋を持ち直す。

「では、私は戻ります。仕事が残っていますので」
「ああ」

歩き出しかけたとき、赤井は付け足した。

「君は厄介だな」
「光栄です」

振り返らずに返す。

庁舎の明かりへ向かいながら、風見は思う。
あの男を信用しているわけではない。だが、降谷が選んだ相手だ。
ならば、自分は二人から目を離さない。
それが上司を守るための自分の使命。部下としての役目であり、たぶん――それ以上でもある。




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