akam 凶悪な恋人3 2026.4.5
自分の二次創作中の赤安について学習させたAIに、プロットに対して執筆作業において下地のみを任せ、私が更に加筆修正等の細かな編集を行っています。無断転載等はおやめください。
平日の午後六時。
空港の自動ドアを抜けた瞬間、赤井は歩調を速めた。
夕刻の空気はまだ明るさを残しているが、滑走路の向こうにはすでに夜の気配が滲み始めている。人の流れに紛れながらも、意識はすでに次の行動へと向かっていた。
普段であれば、この時間帯にここまで急ぐことはない。だが今回は違った。
(遅いと怒るだろうな)
そう思いながら苦笑する。返信の件もある。二週間後に戻ると告げた以上、これ以上の遅延は許されないだろう。
タクシーに乗り込み、自分の車を預けている駐車場へと向かう。運転手に目的地を伝える声が早い。自覚はあった。らしくない、と。
タクシーから降りて即座に自分の車に乗り込み、エンジンをかける。慣れたハンドルに手を置いた瞬間、ふっと肩の力が抜けた。アクセルを踏み込み、都内の道路へと滑り出す。交通量は多いが、流れは悪くない。隙間を縫うように速度を保つ。
途中、コンビニの明かりが目に入った。ブレーキを踏み、駐車場に車を入れる。短い滞在だった。缶ビールを数本、軽いつまみ、あとは菓子類。いわば詫びの品だ。カゴの中身を見て、自嘲が浮かぶ。
(これで機嫌が直るとは思っていないが)
それでも何もないよりはいいだろう。
再び車を走らせる。ナビに頼るまでもなく、身体が道を覚えている。信号の切り替わり、車線の流れ、すべてが自然に処理されていく。だがその裏で、意識は一箇所に固定されていた。
降谷の部屋。
前日に伝えた到着時刻。そこから大きくは外れていない。むしろ、予定より早いくらいだ。
やがて近くの駐車場に車を滑り込ませる。エンジンを切ると、急に静寂が降りた。
ボストンバッグにコンビニ袋を突っ込んで手に取り、階段を上る。足音がコンクリートに軽く響く。
ドアの前に立つ。
一瞬だけ、呼吸を整える。指先でチャイムを押した。
反応はすぐにはなかった。だが、物音が内側から聞こえる。気配はある。
(いるな)
安堵した、その直後。
ドアが半分だけ開いた。
そして、なぜか冷たい金属が額に押し付けられた。
「んっ」
思わず短く声が漏れる。
視界の隙間から見えたのは、半眼の降谷の顔だった。冷えた光を宿した目。右手にはピストル。迷いなく、ぐり、と押し付けてくる。
無言。
赤井は即座に状況を理解し、手に持っていたボストンバッグを離した。どさっと音を立てて床に落ちる。両手をゆっくりと上げる。
「零くん……?」
慎重に、低く呼びかける。
返ってきたのは、かすれた呟きだった。
「……今さら……」
声が低い。感情は抑えられているが、その分だけ危うい。
赤井は動かない。視線だけで相手の状態を測る。かなり悪い。
「今回は風見まで巻き込んだ」
淡々と続く。
「それに……おまえのシャツ、もうないからな。とっくに在庫切れだ」
その一言で、赤井は理解した。情緒の重心は後者――失われた赤井の匂いにある。
(四ヶ月以上か)
向こうでの任務が長引いた。大きな案件だった。連絡は必要最低限。言い訳はある。
だが。
「返信にかける時間など、わずかなものだが?」
降谷の声が、思考に鋭く割り込む。
直後。
かちり、と乾いた音。
引き金が引かれた。弾は出ない。
それでも、赤井の身体は反射的に強張った。
「撃っ……?」
息が詰まる。
撃たれた、という事実そのものに、一瞬、思考が遅れる。
降谷は無言で偽のピストルを床に放り捨てた。軽い音が響く。
「入れ」
短く言い、赤井の腕とボストンバッグを掴んで強引に引き寄せる。抵抗する暇もなく室内へと引き込まれ、背後でドアが閉まる。
そのまま、間を置かずに降谷が抱きついてきた。そして、唇が重なる。
不意打ちに近い。それでも拒絶ではない。むしろ強く、深い。息を奪うような濃厚なキスだった。
赤井は戸惑ったが、すぐに応じる。背に腕を回し、支える。体温が近い。呼吸が混ざる。
数秒か、あるいはもっと長く感じたのか。
ようやく離れたとき、降谷はまだ不機嫌な顔のままだった。
「今日の僕は凶悪だからな」
低く、ぶっきらぼうに言う。
「気をつけろよ」
赤井はその顔を見て、小さく息を吐いた。
「そのようだな」
苦笑が滲む。
降谷は何も言わず、再び身体を寄せてきた。今度は言葉ではなく、沈黙で触れてくる。
赤井はそのまま抱きしめ返した。
言い訳も、説明も、今は不要だと判断する。
腕の中の体温だけが、すべてを物語っていた。