君は初めから僕を憎んでいたわけではないけれど、誰かを憎まずにはいられなかった。
 君は深い憎しみと悲しみを自分の内に留めていられるほど、強くはなかった。

 君が生涯を懸けた復讐は成功するだろう。
 この先、僕は君を失い嘆き悲しむだろう。
 君と同じように誰かが愛する人を亡くし悲嘆に暮れること、それこそが君の復讐だった。
 僕は決して神などではない。けれど、君がそう望むのならば、僕は君の復讐の偶像として居続けてあげよう。
 愛しい女性の運命をその手で左右した恐ろしき神として、君のために存在し続けてあげよう。
 力尽きるまで。

 今までの優しさや温もりが、全て君の目的達成のための手段にしかすぎなかったというのなら、僕は少し悲しいよ。
 悲しいけれど、僕は……