akam Breakers2 2026.5.2
自分の二次創作中の赤安について学習させたAIに、プロットに対して執筆作業において下地のみを任せ、私が更に加筆修正等の細かな編集を行っています。無断転載等はおやめください。
玄関の鍵を回すと、金属音が静まり返った室内に響いた。
時刻はすでに日付を跨いでいる。ざわついた空気は落ち着き、外の冷えた気配だけが残っている。
靴を脱ぎながら視線を上げると、リビングの明かりがまだ消えていないことに気づく。今日は仕事があると言っていたが、先に戻っていたらしい。寝ているかもしれないと足音を抑えて進む。すると、洗面所の方から水音が止む気配がした。間を置かずにティーシャツとズボンの部屋着姿の赤井が現れる。髪はわずかに湿っていて、指先には歯ブラシを持っていた。
「まだ起きていたんですか」
降谷が肩の力を抜きながら問いかけると、赤井は肩をすくめた。
「俺も遅くなってね。さっきシャワーを済ませたところだ。外で食べてきたから、何も用意していないが」
その声音には気負いがない。自然体のまま、ここにいる。
「僕も軽く済ませてきましたから大丈夫です」
降谷はネクタイを外しながら答える。喉元の締めつけがほどけると同時に、身体の奥に残っていた緊張も少し緩む。
洗面所を片付けた赤井はベッドの縁に腰を下ろした。すぐに横になるでもなく、ただそこに腰掛けたまま降谷の様子を見ている。眠る前の余白のような時間が、部屋にゆるやかに広がる。
「風見くんはどうだった」
降谷は洗面所に入り、水を流す。冷たい水が手に触れ、感覚がはっきりと戻る。指先の熱が抜けていくのを感じながら、小さく溜息をついた。
「まあ、納得していないでしょうね」
口元がわずかに緩む。
「当然ですが」
水音の向こうで、赤井の声が重なる。
「君のことが心配なんだよ、彼は。だが君も、風見くんを心配している」
降谷は答えず、ただ小さく笑うだけだった。肯定でも否定でもない曖昧な反応。タオルで手を拭きながら振り返る。
「シャワー浴びますね」
浴室の扉を閉めると、外界の音が遠のく。赤井が先ほどまで使っていたからか、中に湿度を感じる。
湯を浴びると肌の上を流れる熱が一日の疲労をほどいていく。それでも思考は止まらない。明日の準備、その先の潜入。頭の奥で絶えず巡り続ける。身体だけが先に落ち着いていく感覚に、ずれを覚える。
浴室を出て身体を拭き、髪をドライヤーで乾かす。歯を磨き終え、ボクサーパンツ一枚で部屋に戻る。
照明を落とすと、部屋は柔らかな暗さに包まれた。ベッドには赤井が横になっている。目は閉じているが、呼吸の浅さが眠りではないことを示している。
降谷はベッドの端にそっと腰を下ろす。その瞬間、背中に触れるものがあった。赤井の指先がゆっくりと背筋をなぞる。
「眠れませんか」
言葉が終わる前に、腕が回される。後ろから引き寄せられ、背中に身体が密着する。体温が重なり、わずかな隙間もなく埋められる。
「どうしたんですか」
問いかける声は落ち着いているが、拒絶ではない。耳元で低い声がする。
「明日から潜るのか」
降谷は視線を落とす。
「午後から準備です。朝と昼は時間があります。あなたに食事を作れますよ」
それは事務的な報告に近いはずなのに、生活の温度を帯びている。降谷を包む赤井の腕が強まる。
「それはいい。朝は和食がいいな。零くんのだし巻き卵と焼き鮭が食べたい」
「あいにく材料がありません」
背後で小さく笑う気配がした。
「冷蔵庫を確認して買っておいたよ」
「……どれだけ僕に料理をしてほしいんですか」
軽く視線を逸らしながら言うが、照れを誤魔化しているのは口調からばれてしまっただろう。
その直後、首筋に触れる感触が落ちる。軽く、何度も。くすぐったさに肩が揺れる。
「くすぐったいですよ」
それでも離れない。
「どうしたんですか、本当に」
問い直すと、少しだけ間があった。
「しばらく会えなくなるかもしれないだろう。そう思うと甘えたくなる。養分が欲しい」
養分……と言葉の意味を測りかねながら、降谷は鼻を鳴らす。
ゆっくりと身体をひねり、振り返る。赤井はベッドの上で胡坐をかいている。その膝の上に乗るようにして、自然と向かい合う形になる。視線が近い。逃げ場がない距離だ。
「あなたは意外に甘えたがりだ。というより、ベタベタしたがる」
降谷は淡々と言う。赤井は口角を上げ、否定しない。
「体は雄弁だからな」
当然のように言いながら、また肩口に唇を落とす。素肌に直接触れる熱が、じわりと残る。
「今からするんですか、もう1時ですよ」
時間を口に出すことで理性を保とうとするが、距離と温度は変わらない。
「明日は午後からなんだろう」
「とはいっても仕事ですし」
「一時間でいいから」
ためらいのない返答だ。
「それで済むと思ってるんですか」
ため息混じりの言葉の途中で、唇を塞がれる。
呼吸が乱れる。逃げ場を奪われ、頭の奥がじいんとしびれるような感覚がある。
顔を離したとき、降谷の頬には熱が残り、はあっと息が上がっていた。赤井はそれを見つめる。満足そうに。
「君のこんな愛らしい顔を見られるのは、世界中で俺だけか?」
どこか得意げな問いかけだ。降谷は緑の瞳から視線を逸らさない。
「ほかにいるとでも?」
真面目に返す。赤井は瞬きをしながら小さく笑い、頬に甘ったるく口づけた。
「疑ってないよ。俺がこんなに人に甘えたのは初めてかもしれない」
降谷はその言葉を頭の中で反芻する。
赤井はきっと、恋人という関係の中では、これまで守る側の人間だったのだろう。誰かに寄りかかることに、そこまで慣れていないはずだ。 その均衡が自分との関係で変わっているのだとしたら、その初めてが自分に向けられていることが、どうしようもなく嬉しい。頬が緩むのを自覚してしまう。
降谷はそのまま赤井の唇にキスを返す。
「僕も」
男の濡れた唇を見つめて呟く。
「人生でこんなに人に甘えたのは初めてです」
顔を上げた赤井と額が触れ合う。距離がさらに縮まる。
赤井が低く笑う。
「俺たちは甘えん坊同士だな」
降谷も小さく笑う。
体重を預けるように覆いかぶさると、赤井が優しく受け止める。
重心が崩れ、そのまま二人はベッドへと倒れ込んだ。